海外で働くバリスタといえば、現地の人とたくさん言葉を交わしながら本格的なマシンでコーヒーを淹れるイメージを描いたことはありませんか?
コロナの影響で閉まっていた国境も開き始め、それと同時に「ワーキングホリデーを利用してバリスタとして海外で働きたい!」という声をたくさん聞きます。
私もニュージーランドに来た時は、ワーキングホリデー制度を利用して憧れの海外のバリスタになると決めて渡航のでワクワクしていました。
今もバリスタとして働き続けています。
大変なこともありますが、同時に思い描いていたような楽しいことがたくさん詰まっており、海外でバリスタとして働くのは大変オススメです。
そこで今回は、バリスタとして働く私が実際にバリスタの仕事の好きなところや楽しいところを紹介していきます。
ワーキングホリデーとは?
ワーキングホリデーは18〜30歳までを対象に、日本とその国との協定で結ばれた国(2022年9月現在では28ヵ国)で、1〜2年間その国に訪れて就労や就学、旅行など自由に楽しめる海外異文化交流制度です。
細かい制度は国ごとで異なりますが、短期留学とは異なり、学校がない間に働いたり、旅行の途中で資金集めとして現地の言葉を使いながら仕事をしたりとプランを自由自在に組めることができます。
働くことができるビザなのでたくさん旅行したい人も現地で働き、お金を調達できるので、現地の暮らしをお金の心配をすることなく体験したい人にはオススメの制度です。
「バリスタ=コーヒーを淹れる人」だけじゃない!
「バリスタ=コーヒーを淹れる人」
というイメージを持っている人が多いと思います。
正解と言いたいところですが、実際のところ半分正解です。
バリスタの仕事は、コーヒーを淹れるだけではなく様々な仕事があります。
コーヒー豆のチェック
コーヒーを作るのは決められたレシピで作るだけの単純な作業ではなく、その日の豆の原産地や状態、気候に合わせて味をチェックしてベストの状態を毎朝決めます。
お店を準備する際は以上の流れを毎日行い、一人ひとりのお客さんの好みのコーヒーを作る準備をしたら開店です。
お客さんとの関係性創り
営業中はコーヒーがメインになるカフェが多く、バリスタはカフェの顔になります。
お客さんと会話を交わしながら最高のコーヒーをお届けし、一人ひとりの1日の始まりをつくるのです。
バリスタによってコーヒーを淹れる技術が異なったり、ちょっとした会話を楽しみたいという理由で、バリスタを選んでカフェに訪れる人も少なくありません。
技術や会話など、バリスタはコーヒーを作るだけでなく、お客との関係性を創るという意味ではカフェで重要なポジションになるともいえます。
バリスタの仕事はお店によって違う
小さなカフェではコーヒーの焙煎所からコーヒー豆を仕入れるため、他のバリスタ同様コーヒーを淹れることが重要視されます。
他にも、コーヒーの焙煎所で働くとコーヒー豆を売るための高い知識や技術が求められたり、数ヶ月ごとに豆が変わったりとお店によってバリスタの仕事内容は異なってきます。
バリスタの仕事の楽しさを海外在住バリスタ目線で紹介!
現在私は、バリスタとしてニュージーランドで働いています。
しかし最初はバリスタのスキルもなく、海外のバリスタへの”憧れ”からニュージーランドに来ました。
ニュージーランドの人たちがコーヒーをたくさん飲むことは知っていたので、自分が予想していた以上に働いていて楽しい場面にたくさん遭遇しています。
海外バリスタの実際の仕事についてなかなか聞く機会が少ないと思います。
なので、ここからは私が感じる海外でのバリスタの楽しさを紹介していきます。
コーヒーに囲まれた環境で好きなだけ飲むことができる
当たり前ですが、カフェはコーヒーに囲まれた環境。
ニュージーランドで街を歩いていると、店の前を通る時にコーヒーの匂いが漂ってきます。
日本よりもたくさんコーヒーを作るお店が多いため、コーヒーの香りやマシンに囲まれながら働きたい人には気にいること間違いありません。
さらに、カフェで働いている人の多くがコーヒー好きです。
スタッフにコーヒーを作るのももちろんですが、自分のコーヒーも作ったりします。
最初のコーヒーは眠気覚ましに、2杯目のコーヒーはエナジー補給として飲む人が多いです。
コーヒーが好きな人にとっては、他のお店で代金を払わずに自分のカフェで好きなだけコーヒーを堪能できるのは最高ではないでしょうか。
私もコーヒーをテイスティングすると同時に、その日の気分でたくさんコーヒーを飲みます。
同僚とコーヒーについてたくさん語れる
コーヒーを売りにしてるカフェや焙煎所で働くと、コーヒーに対して真剣に取り組むバリスタと出会います。
例えば、国ごとによって異なる味の好みの違いやその日のコーヒーのレシピについてなどについて語りだすとなかなか止まりません。
コーヒー豆は思っている以上に繊細で、たくさんのストーリーがあります。
自分の価値観でコーヒー豆を見るだけでなく、他人の価値観も照らし合わせるのもコーヒーを作る上で大切なことであり、非常に楽しい瞬間です。
常連客と友達になれる
常連のお客は平日の仕事前などに毎日来るので、毎日顔を合わせると自然と親しくなっていくことが多いです。
最初は挨拶だけから始まり、普段の仕事や過ごし方について話すようになったり、「How was your weekend?」と週末の予定について話すと不思議と壁がなくなっています。
特に歳が近いと共通点が多く見つかって仲良くなり、飲み友達になることも稀にあります。
また、コーヒーが本当に大好きな人とは家でどんなコーヒーを淹れたり、今日のコーヒーの味について語ることでお互い刺激されるため、仲の良い常連客がカフェに来てくれるとすごく楽しいです。
コーヒーに関する高い知識を得られる
日本ではコーヒーを飲んでいたけど、なかなか深い知識まで知ることができなかったと思っている人はいませんか?
私もなんとなくのコーヒー豆は生産地で味が違うのは知っているものの、どんな風に味が異なるのかまでは知りませんでした。
バリスタで働いてからは、コーヒーのエスプレッソのブレンドの調合はどういう味を作るために配合を決めているのか、コーヒー豆から感じるフレーバーはどうかのカッピング(コーヒーテイスティング)をしたりとコーヒーについて追求できるイベントが盛りだくさんです。
コーヒー豆はフルーツの種からできており、毎年の生産地の気候や状況によってコーヒーの味も毎年変わってきます。そのため、ずっと同じ状態のものができることはないので、飽きることがありません。
また、他のコーヒー焙煎所の豆と比べたりと、自分の知識が増えるごとに自分の納得できるコーヒーを作ることができるようになります。
ラテアートで色んなコーヒーのデザインが作れる
カフェでコーヒーを飲んだ際に、コーヒーの表面にチューリップやハートといったラテアートがあるのを見たことはありませんか?
コーヒーを作り始めたての人には共感していただけるかと思いますが、これがまた慣れるまでは結構難しいです。
一度慣れてしまうと、ロゼッタやハートを組み合わせてスワンや薔薇など様々なラテアートができるようになります。
自分のオリジナルのデザインで「すごい!」と言ってもらえたり、コーヒーをお客さんに届けた時に喜んでもらえると、作っていてとても気持ちが良く、嬉しいです。
バリスタならではの大会がある
バリスタの仕事で奥が深いのが、全世界でバリスタの大会が行われていることです。
コーヒーの味を最大に引き出したコーヒーを作る「バリスタチャンピオンシップ」やラテアートで争う「ラテアートチャンピオンシップ」など、世界大会を目指したバリスタ界ならではの大会があります。
他にも、身内やカフェ主催のラテアート大会はよく行われており、誰でも気軽に参加することができます。
他の人の技術を目の前で見ることはとても刺激的で、もっと技術を高めようという意欲をもらえる上に、バリスタとの交流もできるのでとても学び深い時間になります。
せっかくバリスタの仕事をするのであれば、上を目指して頑張ってみるのもひとつの楽しみです。
バリスタは忙しいけど楽しくやりがいのある仕事
バリスタの仕事は楽しいだけではなく、たくさんの人がコーヒーを買うピークの時間帯はいかにコーヒーを早く、そして美味しく作るかが大事です。
忙しい中でもプレッシャーに打ち勝って働くのも楽しさのひとつですが、大変な部分でもあります。
それでも、大変なこと以上に楽しい部分がたくさん詰まっているのがバリスタのやりがいです。
海外ではコーヒーを飲む人が多いので、日頃の交流としてもうってつけの場所。
海外交流や文化を知りたい人にとってもオススメです。
コーヒーが好きな人や海外の生活に溶け込みたい人は、海外でのバリスタにチャレンジしてみませんか?