「すだちって、秋刀魚にかける以外どう使えばいいの?」
この言葉を、愛知に引っ越してから何度聞いたでしょうか。
これほどまでに使われていないすだちを目の当たりにして、始めは本当に衝撃の連続でした。
私は、徳島出身です。徳島の特産といえば、すだち。
徳島人は、すだちを何にでも使います。
今回は、「すだちの使い方がわからない」というあなたに、徳島出身の筆者が「地元で使われるちょい足しレシピ」をご紹介します。
すだちで広がる素晴らしい世界、ぜひ一緒に味わってほしいです!
脇役なんて言わせない!すだちで変わる世界線
私は幼少期から22歳まで徳島で生活していたので、小さい時から「家にすだちがあるのは当たり前」という環境で暮らしてきました。
すだちの旬は8月から9月頃ですが、地元徳島では通年手に入れることができます(旬以外は高くなりますけどね)
まさに「いつも家にあるもの」です。
▶徳島県は日本に出回るすだちの98%を生産しています。詳しくはこちらのサイトをどうぞ
徳島の実家では、すだちは常に2分割にされて、いつでも使えるようにタッパーに入っていました。
朝ごはんには醤油とセットで出てくるし、夜にはお酒のお供としても登場します。
ここで本題の「すだちの使い方がわからないんだけど?」という話に戻ります。
徳島人は、「すだちを何にでも使う」のです。嘘じゃないです。本当です。
今回の記事を書くにあたり、徳島の友人と交わした会話がこちら↓
ご覧のとおり、すだちを何にでも使います。切っても切れない縁、なくてはならないモノなんですよね。
すだちとかぼすの違い問題
徳島から名古屋に来て、「すだちの使い方」を聞かれるのと同じぐらい聞かれるのが「かぼす問題」です。
「すだちとかぼすって何が違うの?」
耳タコです。そして、なかなかイラッとします(笑)
全ッ然違うから。
※ちなみに「かぼす」は大分の特産ですが、大分出身の友達も同じ経験を何度もしてイラッとしているそう(笑)
その「かぼす」がこちら。
そして、「すだち」がこちら。
ええ。見た目がほとんど変わらないんです。正直、写真だと私でも見分けがつきにくい。
(この画像はかぼすの緑色のほうが濃いように見えますが、すだちも同じぐらい緑が濃いものがあります)
かぼすとすだちの簡単な見分け方は「大きさの違い」です。
かぼすの方が2まわり程度大きく、すだちの方が小粒。
しかし、知らない人にとっては実際に並べてみないとわかりません。
次に「味の違い」です。
すだちの方が、レモンに近いハッキリとした酸味があり、香りがハード。
かぼすも酸味はありますが、すだちやレモンほどクッキリとしておらず、比較的まろやかな甘さのある酸味になっています。
しかしこれも、知らない人にとっては実際に比べてみないとわかりません。
かぼすとすだちの違いは永遠のテーマ。
大分のみなさん、仲良くしましょう。
地元民が使う!徳島のすだちレシピ9選
ここで、私たち徳島人がリアルに使っている「すだちレシピ」をご紹介させてください。
「レシピ」と言っても、何かにすだちを「ちょい足し」するだけです。
でも、この少しのすだちが素晴らしいアクセントになり、すだちの魅力がグンと引き立つんです。
お惣菜の「ちょい足し」レシピ
- 味噌汁にかける
ド定番中のド定番。味噌汁にすだちを「ちょい足し」するものです。
「味噌汁に柑橘系なんておかしい」と思うかもしれませんが、これが驚くほど合うんです。味噌の風味と、野菜の甘さ、すだちの爽快な酸味が絶妙!
毎年、徳島の実家からすだちが届くのですが、箱を開封して一発目に使うのが、いつも味噌汁です。
- 卵焼きにかける
普通の卵焼きに、すだちをかけるだけのもの。甘すぎる卵焼きには合いませんが、私はこれが好きで結構つかいます。
すだちを使うだけで、ただの卵焼きが突然「料亭レベル」になる。
やっぱりすだちはすごいです。
- ちりめんじゃこにかける
定番すぎて載せるのをためらいました。
徳島の実家では、すだちが手に入らないときはちりめんを買いません。
ちりめんだけ買って、すだちを切らしているときも、ちりめんを食べません。
そのぐらい、ちりめんとすだちは一心同体です。
というわけで、私は愛知に出てきてからすだちが買えなくなったので、ちりめんを食べなくなってしまいました。悲しい。
- ラーメンに散りばめる
そうめんと迷いましたが、あまりに普通すぎるかな?と思い、ラーメンのご紹介です。
塩ラーメンに薄く切ったすだちを並べると、めちゃくちゃ美味しいです。
日清の塩ラーメンのような濃い味のものではなく、さっぱり薄味の塩ラーメンのほうがオススメ。
▶いつも作っているカンタン塩ラーメンレシピ
- 500mlのお湯に、鶏ガラスープ、塩コショウ、ゴマ油、醤油、生姜を入れて煮立てる
- 中華麺を入れる
- スライスすだちをのせる
お酒のシメとしても絶品です!
お酒の「ちょい足し」レシピ
- 焼酎に入れる
私はこの酒で育ったと言っても過言では無い。
今まで何百杯飲んできたかわからない、「いいちこの水割り+すだち」です。
水割り1杯につきすだちを半個使い、飲み干したら次を入れて・・・と足していくため、すだちの個数で飲んだ杯数がカウントできてしまう代物です。
「すだちの皮をずっと入れてたら渋くなるのでは?」という人もいますが、全然気にせず継ぎ足していきます。
いくらでも飲めるので注意してください!
- ジントニックに入れる
バーで「すだちトニック」を見つけてから、すだちが届くと必ず作るのがこちら。
「ジン+トニックウォーター+すだち」も美味しいですが、「ジン+ソーダ+すだち」も絶品です。
いいちこ同様、すだちを入れると飲みやすすぎるので注意してくださいね。
デザートの「ちょい足し」レシピ
- ヨーグルトにかける
徳島の友人に聞いたのが、ヨーグルトにハチミツとすだちの皮のすりおろしをかけて食べるというレシピ。
画像は皮を切ってのせただけになっていますが、すり下ろすと香りが引き立ってとても爽やかです。
甘くないプレーンのヨーグルトで作るのがオススメ♪
- 砂糖漬けにする
徳島に住む実妹に聞いたのが、すだちの砂糖漬け! レモンほど甘くならないので、 これは玄人向けです(笑)
でも砂糖漬けにすることで皮が柔らかく食べやすくなるので、私は好きでした。
すだちが余ってしょうがない!という時にどうぞ♪
- アルフォートにのせる
こちらも徳島の友人に聞いたレシピです。なんと、アルフォートにすだちをのせて食べる!
実践してみたところ、アルフォートの甘さとビスケットの香ばしさにすだちがマッチしている。美味しいです。
考えてみれば、レモンやオレンジ、グレープフルーツなどをチョコと合わせるスイーツも多いので、合って当然かも。
ウイスキーにも合いそうです。
まとめ
実家からすだちが届いたのをキッカケに、「徳島人のすだちレシピ」をお送りしましたが、いかがでしょうか。
すだちは可能性が無限大です。レモンより使いみちが多いとすら思っています。
地元以外ではなかなかの高級品かもしれませんが、もしすだちが手に入ったときは、試していただけると嬉しいです!
徳島のすだちの魅力、ぜひ楽しんでください♪