マンガ『月夜のグルメ』より作中登場の【店=聖地】紹介!グルメな夜の冒険へ!

昨今のグルメマンガブームの火付け役『孤独のグルメ』を世に送り出した「SPA!」。そんな「SPA!」が新たなグルメマンガとして選んだ作品が『月夜のグルメ』です。

原案は『阿修羅ガール』『NECK』などで知られる文学界の奇才・舞城王太郎。独特の世界観でファンを魅了する舞城もまた新境地を開いています。マンガは、鉛筆で描く繊細なタッチの絵柄を得意とする奥西チエ。グルメマンガを書かせたら右に出るものはいません。

そんな奇跡のコラボから生まれた『月夜のグルメ』には、毎回多くの飲食店が登場します。しかも、実在するお店ばかり。そこで、この記事では『月夜のグルメ』第1巻を中心に、そこに登場する魅力的な聖地となる飲食店を紹介します。

作中では決して明かされていないモデルとなった店をわかる範囲で独自検索。『月夜のグルメ』を読んで、美味しい酒や料理と同じものを食べたくなった際には、ぜひご活用ください!

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王道グルメマンガ『月夜のグルメ』を紹介!

『月夜のグルメ』とは?

父の手帖を手に入れた主人公・朔良。その手帖には、父が訪れた都内のおすすめ店が数多く紹介されていました。

今は福井から上京し東京で暮らしている朔良は、その手帖を片手に父の歩いた足跡を追います。深夜、月夜に誘われて、生まれて初めての「食の冒険」へと踏み出すことに。

そこに待っていたのは、朔良も予想していなかった父との思い出や新たな食の世界でした。まるで、親子で語らうように「食の冒険」を続ける朔良は、「食」を通して人との繋がり、文化なども学びます日本食だけない各国の美味しい酒と料理の数々は、朔良の身も心もやさしく包み込んでくれるのでした。

そんな朔良の「食の冒険」での成長と美味しい酒と料理を紹介していく新たなグルメマンガが『月夜のグルメ』です。これを読んだら、間違いなくお腹が空きますよ!

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

『月夜のグルメ』の魅力について

『月夜のグルメ』の魅力といえば、原案の舞城王太郎の新境地ともいえる朔良のやさしい物語とマンガを担当する奥西チエの描く奥深い鉛筆画です。

まるで父の手帖と会話をするように、おすすめの店を巡る朔良。いつもそっと朔良に寄り添う父の姿が自然を目に浮かぶ物語は、これまで舞城が描いてきた世界とは異なる温かい親子の絆です。

またマンガを担当する奥西チエの繊細な鉛筆画は、酒や料理を一層引き立ててくれます。本当に美味しそう!全編を鉛筆だけで仕上げるその画力は圧巻の一言です

特に鉛筆画による料理の再現が半端ありません。今にもコマから飛び出してきそうで、思わずつまみたくなります。また、朔良が訪れる店にいるお客たちの楽しそうなざわめきの表現も秀逸です

奇跡のタッグとは、まさにこのこと。主人公の親子の物語にホロっとし、食を通して、朔良と一緒に文化まで学べる作品です。『月夜のグルメ』は理想的なグルメマンガと言えるのではないでしょうか。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

原案・舞城王太郎とマンガ・奥西チエ

『月夜のグルメ』を生み出した原案の舞城王太郎とマンガの奥西チエを紹介します。

舞城王太郎は福井県出身。覆面作家として知られています。西尾維新や佐藤友哉などと同期です。デビュー作は『煙か土か食い物』。同作で第19回メフィスト賞を受賞しました

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徐々に純文学の作品も発表してき、2003年には『阿修羅ガール』で三島由紀夫を受賞。その後、『好き好き大好き超愛している』『ビッチマグネット』『短篇五芒星』『美味しいシャワーヘッド』の4作品で芥川賞候補となっています。しかしながら、独特な世界観ゆえに、賛否の別れる作家でもあります。作家以外でも、翻訳、マンガ原作、アニメ監督などの幅広い才能もみせている舞城王太郎。

本作『月夜のグルメ』では、20代女性の繊細な内面を描き、これまでの作風とは異なる新たな舞城ワールドを展開しています。また、コミックスには舞城本人の書下ろし短編なども収録され、充実の内容です。

奥西チエは、グルメマンガに定評のあるマンガ家です。21~22歳の時に京都から上京。マンガ家の高橋しんや信濃川日出雄のアシスタントを務めます。その後、『玉子のBBQ』でマンガ家デビュー。この作品では、主人公・玉子の作るダイナミックなBBQ料理を本当に美味しそうに描いていました。その後、『月夜のグルメ』の前身ともいえる『始発のグルメ』を発表。その評判がよく、「週刊SPA!」にて『月夜のグルメ』の連載となりました。

全編を鉛筆画で描くという画期的な手法にチャレンジし、料理の質感などを細かく表現しています。また、鉛筆の濃淡で深夜の雰囲気を出すことも。画力があるからこそできる至難の業です。

マンガ『月夜のグルメ』より作中登場の店をピックアップ

『月夜のグルメ』第1巻より作中登場の店を独自で検索

『月夜のグルメ』第1巻に登場するお店を独自で検索。どうしてもわからないお店もありましたので、わかる範囲で掲載しています。

第1夜:かざまん家/下北沢

下北沢の一番街にある魚沼の郷土料理が楽しめるお店です。店主の実家は、魚沼にある玉川酒造。数多くの日本酒も堪能できます。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第4夜:今日海飯店 平井店/平井

四川料理の激辛モツ煮込みである毛血旺が食べられるお店。リーズナブルな中華居酒屋です。おすすめは焼き餃

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第5夜:メナムのほとり/神保町

本格タイ料理の店。パパイヤのサラダ・ソムタイ、あさりのバジル炒めがおすすめ。〆はグリーンカレーで決まり。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第6夜:なお太/浅草

浅草観音裏、柳通り界隈にある手打ち蕎麦屋。蕎麦刺しやまぐろづけなども食べられます。作中では、トマト鴨せいろも注文していました。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第7夜:もつ焼き大喜/錦糸町

やきとんの店。作中で主人公は人生初のやきとんを食すことに。串焼き以外にも、もつポン酢、もつ煮込み、ガツ酢なども食べられます。ちょっと遠回りですが、菊川駅からも歩くことができます。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第8夜:鰾(うきぶくろ)/代々木上原

店名が書かれた赤提灯が目印。海鮮中心の居酒屋です。名物は肉厚のアジをカラッと揚げたアジフライ。日本酒も豊富です。主人公は海鮮ビーフンで〆ていました

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第9夜:章太/蒲田

レトロな雰囲気のおでん屋。煮干しの出汁で仕込んでいます。お好みで、煮干しの粉末を入れることも。熱燗とおでんの組み合わせがベストです。そのほか、ペペロンチーノ、卵黄ベーコンオイスター、黒毛和牛A5の鉄板焼きなど豊富なメニューがあります。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第10夜:十六公厘(じゅうろくみり)/神楽坂

おしゃれな中華専門のバー。紹興酒のハイボールがおすすめピータン豆腐、肉ニラ炒め、牛スジ煮込みなどお酒に合わせた食事メニューがたくさんあります。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第11夜:仙川 湯けむりの里/仙川

調布市仙川にあるスーパー銭湯。入浴後、お食事処で休憩できます。メニューも豊富で、もちろんお酒もありま。作中では、ここで主人公が大晦日を過ごします。贅沢な過ごし方かもしれませんね。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第12夜:MEETS/新宿

新宿の街並みを一望できるビルの9Fにあります。イタリアンのダイニングバーです。特に肉料理に定評あります。ワインに合わせてた料理が豊富にそろっています。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第13夜:安美(あみ)両国総本店/両国

国技館帰りのお客で賑わうちゃんこ屋。名物は馬力どんぶりビール。その大きなどんぶりよりも大きな特製特大かきあげに合わせたら絶品です。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第14夜:椿/高円寺

山形料理と蕎麦のお店。カウンター席と階段を上がった先にあるちゃぶ台が置かれたスペースという変わった作り。趣のある店構えが特徴です。山形の漬物や焼き味噌といったお酒の進むメニューから絶品蕎麦まで味わえます。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第15夜:居酒屋 縄のれん/野方

縄のれんのかかったお店。常連の集う居酒屋です。看板にも書かれているようにラーメンもあります。日本酒もそれに合わせたつまみもいいですが、ビールにオムライスというのがおすすめとのこと。ぜひチャレンジしてみてください!

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第17夜:カフェレストラン24/品川

品川プリンスホテル内にあるレストラン。フロントの脇にあります。2021年現在は休業中とのことですが、通常は24時間営業しています。宿泊客だけなく一般客も利用できます。オリジナルカクテルなどもあり、お酒も食事も楽しめキレイなレストランです。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第18夜:燻製&bar humo/浅草橋

燻製の専門店。燻製ビールなども飲むことができます。お料理は、燻製チーズの盛り合わせから自家製ベーコンを使ったパスタなども。燻製料理とお酒を存分に楽しめるイタリアン、ダイニングバーです。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

第20夜:炭火原始焼と蔵元焼酎の店 のどくろの中俣/築地

名物は、のどくろの炭火原始焼き。500gを超える大きく肉厚な最高級のどぐろを使用しています。また自家製のさつま揚げもおすすめの一品。ビールも日本酒も堪能できます。

『月夜のグルメ』・1巻・舞城王太郎、奥西チエ・扶桑社

グルメマンガがヒットするわけとは?

グルメマンガとは

一般的にグルメマンガとは、グルメ(美食や美食家)、料理、料理をする人などを描いたマンガのこと。その内容は多種多様で、料理自体が描かれたもの、料理をつくる過程が描かれたもの、料理する人が主人公のものなどです。また、その料理の美味しさを説明し、味のリアクションなどを表現していくものなどもあります。

昨今数多くのグルメマンガが登場していますが、なぜこんなにもグルメマンガが存在しているのでしょうか。それは、マンガのジャンルとして確固たる地位を確立し、ヒットが見込めるからでしょ

「食」は、私たちが生きる上でなくてはならないもの。その「食」を通して、その美味しさを追求し、文化を学び、人間ドラマを楽しむことができるのがグルメマンガ。グルメマンガがもたらしてくれるのは、「癒し」や「幸福」にほかなりません

私たちに心の豊かさをもたらしてくれるグルメマンガは、これからも愛され続けていくことでしょう。

おすすめのグルメマンガをピックアップ!

おすすめグルメマンガ:『美味しんぼ』(雁屋哲、花咲アキラ/小学館)

東西新聞文化部の新入社員・栗田ゆう子と先輩の山岡士郎は「究極のメニュー」の担当者となります。このメニュー作りを通して、さまざまな問題を解決していく物語。日本のグルメブームを巻き起こした傑です。

この作品では食に関するあらゆる事柄が登場します。食に対する意識が変わった人も多いのではないでしょうか。何度となくドラマ化された人気作品です。グルメマンガでありながら、根底にある親子対決というテーマの物語が非常に面白くもあります。

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おすすめグルメマンガ:『きのう何食べた?』(よしながふみ/講談社)

『大奥』などで知られるよしながふみ原作です。「シロさん」こと弁護士の筧史朗と「ケンジ」こと美容師の矢吹賢二は、同棲中のゲイのカップル。

二人の食事は、史朗が節約しながら担当しています。一緒に食事をすることを通して、二人でいることの意味を模索する物です。テレビ東京系でドラマ化され、その後、劇場版も作られました。グルメマンガとしての面白さはもちろん、二人の愛と絆に心打たれる傑作です。

おすすめグルメマンガ:『孤独のグルメ』(久住昌之、谷口ジロー/扶桑社)

輸入雑貨商を個人で営む井之頭五郎。仕事でさまざまな場所を訪れる彼の楽しみは、そこで食事をするこです。中年中年男性が、ひたすらに食べることだけを描いた作品。淡々と物語は進行していきます。

テレビ東京系でドラマ化され大ヒットシリーズに。主演の松重豊の代表作となりました。松重の美味しそうに頬張る姿に、自分も食べてみたいと思った人も多いはず。実在するお店が登場するので、こちらもぜひ行ってみたいですよね。

おすすめグルメマンガ:『クッキングパパ』(うえやまとち/講談社)

福岡に住む主人公・荒岩一味。職場や家庭を舞台に、荒岩の人間としての魅力が描かれた物語です。一話完結で、ほのぼのとした日常が描かれています。そんななかで、荒岩が作る料理が周囲の人たちを笑顔にしていきます

料理の詳細なレシピが紹介されているので、これを見て作ったことがある人もいるのでは。アニメやドラマにもなった人気作品です。徳島県に住む自給自足で知られる大家族・廣川家。彼らのレシピ本が『クッキングパパ』だったのが印象的でした。

まとめ

美味しい酒と料理や親子の絆を描いたグルメマンガ『月夜のグルメ』。その魅力と作中に登場するモデルとなった聖地=飲食店を紹介しました。2021年現在、『月夜のグルメ』は「週刊SPA!」本紙での連載を作者都合により休載しています。早い再開が望まれます。

コミックスは現段階で第2巻までの発売となりますが、連載された話数はすでに108話(108夜)あります。それだけ数多くの魅力的な飲食店が紹介されてきたわけですね。

原作の魅力もさることながら、各お店が本当に魅力的なこと。なぜなら、この物語を作る上で、きちんとしたリサーチがされているからにほかなりません。

『月夜のグルメ』はマンガとして楽しむことはもちろん、都内限定の「夜のグルメカタログ」ともいえます。ぜひ、主人公・朔良にとっての手帖のようにご活用ください!

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この記事を書いた人

kayser

元映画業界在籍。現在は一児の母で、エンタテインメント中心の記事を執筆するWEBライター。最近はマンガ記事多数。映像企画やオンラインセミナーのサポートなどもやっています。
2021年より、映画ライターの松弥々子さんと「犬猫映文館」を立ち上げ、noteを始めました。