集英社のジャンプ4誌(「週刊少年ジャンプ」「Vジャンプ」「ジャンプスクエア」「最強ジャンプ」)が合同で行うイベント「ジャンプフェスタ」。2021年の「ジャンプフェスタ2022」は、12月18日19日両日に開催されました。
1999年から始まったこのジャンプのお祭りは、これまで幕張メッセにてリアルイベントとして開催。しかし、2020年の「ジャンプフェスタ2021」は、世界的に拡大する新型コロナウィルスの影響により、幕張メッセでの開催は中止され、開催以来初のオンラインイベントのみで開催されたのです。
そして、「ジャンプフェスタ2022」では、幕張メッセのリアルイベントとオンラインでのイベントという両建てで開催。これにより、参加者の選択肢が増え、さらなるファンの獲得になったことでしょう。
幕張メッセでのジャンプスーパーステージ及びジャンプスーパーステージEXとオンラインでの開催となるジャンプスタジオREDやジャンプスタジオBLUEに分かれ、全30以上の作品のイベントを実施。今回は、その中から厳選した8作品をピックアップしました。出演者などイベントの詳細から最新の情報までまとめて熱く紹介します!
12月18日開催イベントレポート!
SPY×FAMILY
12月18日ジャンプスーパーステージにて初日1発目に開催されたイベントが『SPY×FAMILY』。「ジャンプ+」にて連載中の大人気スパイアクションです。
2022年4月より、分割2クールにてテレビアニメ放送が決定している本作。この日、主役のロイド・フォージャーを演じる江口拓也の出演は決定していましたが、そのほかの出演者については未定でした。
イベント最初に江口拓也が登場すると、続いてヨル・フォージャー役の早見沙織とアーニャ・フォージャー役の種﨑敦美も登場。この3人が主要メンバーであることが判明しました。江口と早見といえば、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズにて、相手役を7年間も務めた間柄。これは心強いキャスティングですよね。アーニャ役の種﨑も幼い子どもの役から大人まで幅広い役柄をこなす実力派です!
この日は、PVの第2弾が初解禁となり、この収録が3人そろっての初収録だったことを明かしてくれました。そのほか、絶賛制作中のアニメに向けて、各キャストが原作マンガから楽しみにしているシーンをピックアップ。江口からは、手榴弾で、プロポーズのシーン。種﨑からは、ヘンリー・アンダーソンという役のいろいろな「エレガント」、早見からはアーニャの笑おうとしても変なニヤニヤ笑いになってしまうところなどが発表されました。
その後は、生アテレコや『SPY×FAMILY』原作者の遠藤達哉への質問コーナーやメッセージなどを紹介。最後にキャストから、この作品に参加できる喜びやアニメへの期待のコメントなどで締めくくられました。
ワールドトリガー
2021年10月期より、テレビアニメ3rdシーズンが放送中の『ワールドトリガー』も12月18日のジャンプスーパーステージに登場しました。原作マンガは、作者体調不良により長い休載を経て、「週刊少年ジャンプ」から「ジャンプスクエア」に移籍。にも関わらず、原作、アニメともに絶好調です。
この日は、アニメの声優を務める4名の出演が決まっていました。まずは、空閑遊真役の村中知、三雲修役の梶裕貴、ヒュース役の島﨑信長が登場。しかし、出演予定の二宮匡貴役の諏訪部順一の姿はなく……。渋滞に巻き込まれた様子で、遅れて諏訪部も到着。土下座して謝りながらの登場でした!間に合ってよかった!
最初のコーナーは、現在放送中の3rdシーズンからお気に入りのシーンを各声優がピックアップ。実際の映像を流しながら紹介されました。
梶からは迅悠一からの一言「揺れるな」、島﨑からはエクスードが取り囲む無双シーン、諏訪部からは焼き肉屋で二宮隊と玉狛第2が偶然会ってしまうシーン、村中からはミスター早打ちこと弓場隊長のめちゃくちゃ早打ちなシーンなどが上げられました。諏訪部が上げたシーンにあるように、『ワールドトリガー』が戦闘だけなく、日常的な部分も非常に魅力的であることがわかるコーナーでした。
そのほか、ジャンプフェスタ限定の予告編が流れ、原作マンガの最新話を紹介と充実した内容に。最新情報では、「アニメ ワールドトリガー境界防衛機関 ボーダーミュージアム」の開催や「ワールドトリガーフェスティバル2022」が告知されました。
また、原作者の葦原大介からメッセージとともに描き下ろしイラストも紹介。そのイラストは、なんと、この日の出演キャラクター、遊真、修、ヒュースが二宮隊に!
二宮とともに同じスーツで描かれていました!めちゃくちゃ貴重なイラストです!最後は全員で「トリガーオン」と大合唱し、この日のステージは終了しました。
憂国のモリアーティ
「ジャンプスクエア」にて絶賛連載中の『憂国のモリアーティ』。コナン・ドイル原作の『シャーロック・ホームズ』シリーズを原案に、ホームズのライバルとして登場するモリアーティを主人公とした物語となっています。
この『憂国のモリアーティ』は、12月18日のジャンプスタジオBLUEにてオンラインにてイベント配信されました。出演は、シャーロック・ホームズ役の古川慎、作家でホームズ研究家として知られる北原尚彦、司会のあさりど川本成の3名。
今回は、北原尚彦が、ホームズ研究家=シャ―ロッキアンとして、『憂国のモリアーティ』の魅力を紹介するという一風変わった企画。始終、北原氏のホームズ愛に溢れたイベントでした。
まずは、シャ―ロッキアンがどんな活動をしているかという説明から。コナン・ドイルの原作を正典と呼び、その新解釈をし、二次創作などもしているそうです。そして、そんなシャ―ロッキアン界隈でも話題なのが、この『憂国のモリアーティ』。北原氏からこの作品のどんなところが凄いのかポイントを解説してもらいました。
「タイトルが凄い」「モリアーティが義賊をしている設定が憎い」「原作への“オマージュ”と改変が秀逸」という3つのポイントを紹介。特に印象的だったのが、そのオマージュに関してです。
原作の挿絵のパロディがマンガの中でいくつか登場するのですが、これがまたセリフまで同じで、なかなか憎い演出に。また、原作にも登場するアイリーン・ドラーが男性として生きることを決めるという改変にも着目していました。その男性名を「ジェームス・ボンド」にするなど、シャーロック・ホームズの世界からさらに発展させ、誰もが知るイギリスが生んだスパイ007までもってくるところがまさに秀逸とのこと。
こうして原作=正典を知っていると、『憂国のモリアーティ』がより楽しめることがわかるイベントでした。最新情報は、コミックス既刊16巻まで発売中ということと2022年4月には新作OVAが発売されるとのこと。詳細は下記にて。
チェンソーマン
第1部・公安編が終了し、第2部・高校編のスタートが待たれる中、米国コミック業界で権威のある「ハーベイ賞」の2021年のベストマンガ部門を受賞した『チェンソーマン』。2021年に発表した長編読み切り『ルックバック』も高い評価を受けています。
そんな『チェンソーマン』のオンライン限定イベントは、12月18日の開催。藤本タツキ本人と担当編集の林士平が登場しました。藤本は覆面作家としているため、『チェンソーマン』のキャラクター・ポチタのアニメーションでの出演でした。
今回のイベントでは、『チェンソーマン』の制作秘話や重大発表、『ルックバック』に関して、現在仕掛りの読み切りのことなどをたっぷり語ってくれることに。特に『チェンソーマン』の話の中で印象に残ったのは、第1部・公安編を振り返ってみての藤本のコメントです。
「自分のやりたいことはジャンプではできないので、好きでないこともやった」とのこと。ジャンプという偉大なマンガ誌への連載と自身の制作意欲との葛藤。作家性の強いマンガ家であることが伺えました。
また、藤本タツキは、コミックスの作者コメントにもあるように、とにかくホラー映画好きとして知られています。『チェンソーマン』では、そこから得たアイデアも多く取り入れてきたそうです。そうすることで、好きな作品へのオマージュ的な意味合いも。
担当の林とは最近観た映画や面白いマンガの話などをよくするといいます。この日名前の挙がったおすすめの映画は、Netflixオリジナルの『呪怨』。またマンガは、仲間りょうの『高校生家族』やちばてつやの『ひねもすのたり日記』、押見修造の『おかえりアリス』、松本大洋の『東京ヒゴロ』など。ぜひ読んでみたいですよね。
またこの日は、『チェンソーマン』第2部が2022年初夏にてジャンプ+にて連載開始されること、テレビアニメ『チェンソーマン』が2022年の放送を目指して鋭意製作中であることが発表されました。また、新たなプロジェクトPVも解禁され、ますます楽しみに!
藤本本人から第2部の連載に関して、多くは語られませんでしたが、「吉田は出る」とのこと。イケメン人気キャラ・吉田ファンには嬉しい発表となりました。
プラチナエンド
2021年10月期より、TBS・BS11にてテレビアニメが放送中の『プラチナエンド』。原作マンガはすでに連載を終了し、全14巻で完結しています。原作は、『DEATH NOTE』『バグマン。』を生み出したヒットメーカー・大場つぐみ&小畑健コンビ。
ジャンプスーパーステージEXにて、12月18日の最後のイベントとしてオンライン開催されました。出演は、架橋明日役の入野自由、ナッセ役の小倉唯、花籠咲役のM・A・O、ルベル役の花江夏樹、生流奏役の石川界人。豪華声優陣が集結しました。今回のイベントの司会は花江夏樹が担当。「おはスタ」にて山寺宏一を継いで司会をしていただけはあり、慣れたものでした。
イベントの会場も作品の世界観に合わせ、チャペルでの実施。それぞれの出演者が選んだマイベストシーン、六階堂七斗役の森川智之からの質問「プライベートで幸せを感じる瞬間は?」に対する答えなどを紹介しました。
出演者が選ぶマイベストシーンで、主人公・明日を演じる入野からは、明日が自分の弱さを吐露していくシーンが選ばれました。苦しくて苦しくてたまらない思い。主人公らしくない明日のキャラクターをよく表しており、この作品の魅力そのものです。
また、出演者からの質問を先生がそれぞれ答えるコーナーもあり、貴重なコメントも紹介。石川界人から大場つぐみへの「1人で物語を考えているのですか」という質問に対し、大場は「アドバイスはもらうが、1人で考えている」と回答。出演者全員から「おお」と感嘆の声が上がりました!
イベント最後には、2ndシーズンのエンディングテーマを空白ごっこが担当すること、小畑健の新作『ショーハショーテン!』の連載が開始されたことも発表。また、出演者たちが、アニメのこれからの展開について、それぞれの思いなどを語り、イベントを締めくくりました。
12月19日開催イベントレポート!
地獄楽
「ジャンプフェスタ2022」2日目の12月19日開催イベントで、最初に紹介するのが『地獄楽』。2021年1月まで「ジャンプ+」にて連載された人気マンガです。
原作の賀来ゆうじは、2013年に「ジャンプスクエア」にて連載デビューするも、苦戦した作家のひとり。藤本タツキのアシスタントを経て、『地獄楽』にてブレイクを果たしました。
連載終了とともに、テレビアニメ化の発表があり、この日、ティザービジュアルとティザーPVが解禁されました。アニメを担当するのは、ジャンプ作品ではお馴染みとなったMAPPA。原作同様、不思議でおどろおどろしい世界観と美麗な絵柄が披露されました。
この日の出演者は、そんな『地獄楽』に心奪われた熱狂的なファンの人たち。司会を務めるマンガ好き芸人の吉川きっちょむ、EXILE FANTASTICK from EXILE TRIBEの世界、元モーニング娘。の飯窪春菜の3名に、現在の担当編集・藤田恭輔でした。
今回の主なテーマは「推しバトル」について。『地獄楽』は、命を賭けたバトルシーンが多く登場します。1対1の時もあれば、チーム戦であることも。ただ戦うだけなく、その戦いの中で成長していく姿、人間ドラマなども描かれており、バトルシーンには魅力がギュッと詰まっているのです。
今回は、出演者が選ぶシーンだけでなく、ファンが選んだ中から出演者たちが“これは”と思うシーンも紹介。特に飯窪春菜が選んだ第1巻の「佐切VS画眉丸」には注目してほしいところ。この物語を語る上で外せぬ戦いであり、ティザーPVにも描かれています。このバトルから物語が始まっていくのです。
また作者の賀来ゆうじからは動画メッセージが。どんな風にバトルシーンを描いているかも語られました。最初にバトルのクリア条件を決めて、クイズに答えるように書き進めていくといいます。ライブ感を大事にしているそうで、自分でも最初は殺すつもりのないキャラも最後には殺してしまうことも。書いているうちに湧き上がる流れのままに進めていると貴重な話を聞かせてくれました。
そして、この日解禁された公開された情報はもうひとつ。2022年秋には舞台化されるとのことでした。アニメ化や舞台化の続報は公式サイト、公式Twitterで告知予定となります。
さらに、「週刊少年ジャンプ」では、賀来ゆうじ原作の『アヤシモン』の連載がスタートしたばかり。新宿歌舞伎町を舞台に、魑魅魍魎が牛耳る裏社会に人間の少年が妖しき少女と挑むバトルアクションです。こちらも乞うご期待です!
青の祓魔師
『青の祓魔師』は、「ジャンプスクエア」にて連載中の加藤和恵原作のダーク・ファンタジー。通称“青エク”は、2009年より連載を開始されましたが、2021年現在は休載となっています。コミックスは既刊27巻。累計発行部数は1500万部を突破しています。連載再開は、2022年5月号を予定している大人気作品です。
2011年と2016年にテレビアニメも放送され、2012年には劇場版も公開されました。また、これまで4度の舞台化もされ、メディアミックスも盛んに行われています。
12月19日のジャンプスタジオBLUEにてオンライン配信されました。主役で兄の奥村燐を演じた岡本信彦と弟の奥村雪男を演じた福山潤が登場。なんと今回は、原作の加藤和恵宅をこの2人が潜入するという企画を実行しました。貴重な仕事場は今回が初潜入とのことで、ファンにはたまらない内容となっています。さらに、ドローイングまで披露するというファンサービスも。
その自宅で、加藤和恵と岡本&福山によるトークも繰り広げられました。最初のアニメ化から10年。原作は休載中とはいえ、声優2人にとっても感慨深いものがある様子です。“青エク”休載に至るまで、連載が始まった小野不由美原作の『営繕かるかや怪異譚』についてなど気になる話題ばかりが語られていきます。
最後は、新たなゲーム企画も紹介。ゲームは現在鋭意進行中とのことで、今回は背景画が公開されました。また、2021年12月からはLINEスタンプも発売されるなど、“青エク”の勢いはまだまだ続きそうです。
呪術廻戦
2021年12月24日に『劇場版 呪術廻戦0』も公開され、ジャンプ作品で最も注目を集めているマンガ『呪術廻戦』のイベントは、12月19日ジャンプスーパーステージにて開催されました。この日の出演者は、主人公・虎杖悠仁役の榎木淳弥、禪院真希役の小松未可子、『劇場版 呪術廻戦0』より、乙骨憂太役の緒方恵美、折本里香役の花澤香菜の4名でした。
まずは、出演者のそれぞれ好きなキャラクターについて。緒方と花澤は結婚を誓い合ったという役柄通り、それぞれの役名を指名し、小松に関しては、同級生役の狗巻棘をベタ褒めしていました。榎木からは、津田健次郎演じる七海建人の名が挙がりました。虎杖との信頼関係が厚い、この物語ではいたってまともなキャラクターのひとりです。
また、テレビアニメで印象に残るシーンはとの質問に、レギュラー陣2人からはそろって、24話で虎杖と釘崎がともに戦う中、黒閃を放つシーン、小松からは、釘崎が初めて人を殺してしまった後の2人のやりとりの演技が素晴らしいと絶賛されました。
原作者の芥見下々からのコメントや『劇場版 呪術廻戦0』のアフレコ裏話なども語ってくれました。されに、主題歌を担当したKing Gnuからもメッセージが届けられ、主題歌入りのPVも初公開されることに。
映画館に足を運んで人に入場者プレゼントとして小冊子“0.5巻”がプレゼントされることやノベライズの発売、スマホゲーム『呪術廻戦 ファントムパレード』の事前予約が12月20日より始まることなど発表されました。2022年7月と8月には東京と大阪で舞台化も決定。『呪術廻戦』の勢いは止まるところを知りませんね!
最後に作者の芥見下々や各出演者からのメッセージでイベントを締めくくりました。
まとめ
「ジェンプフェスタ2022」の中から8作品のイベントを紹介しました。どの作品もこれからの展開が楽しみなものばかり。
また、今回の「ジェンプフェスタ2022」のようにリアルイベントとオンラインイベントという形での開催には、今後の可能性を感じました。次回もまた同じような開催または、さらに進化した開催の形を期待できると思います。
今回、解禁された情報の続報は各公式サイト、公式Twitterなどで随時お知らせしていくそうです。ぜひ、チェックしてみてください!