「はじめてチームを持ったけど、まとめきれない」
「メンバーが何を考えてるかわからない」
「入社時のやる気マインドどこいったんだっけ・・・」
チーム全員の進捗確認、メンタルケア、教育や業務指示。
リーダーのやることはてんこ盛りですよね。
部下として仕事をこなしていくコトと、リーダーとしてチームをまとめるコトは全く違う仕事です。
焦る気持ちはわかる。でもここで、小休止。
「漫画」で「良いチーム作りの基礎」を学んでみませんか?
オススメしたいのが、ジャンプで連載していた超人気漫画「ハイキュー!!」です。
宮城県の県立高校バレー部が舞台のスポーツ漫画なのですが、この漫画には「良いチーム作りをする秘訣」がモリモリと詰まっているんです。
たかが漫画とあなどるなかれ。
ビジネス書としても十分すぎるほど濃く、深く、感動できる内容となっています。
今回は、主役が所属する「県立烏野(からすの)高校排球部」に着目して「良いチーム作り」をテーマにお伝えしていきます!
【解説2分】人気漫画ハイキュー!!のあらすじ
「ハイキュー!!」は週刊少年ジャンプで2012年から2020年まで連載していた、超人気漫画です。
舞台は宮城県。主人公は高校1年生の日向翔陽(ひなたしょうよう)。
身長162cmという低身長ながら、「驚異の身体能力」と「バレーボールへの異常なまでの熱意」を武器に成長していく高校バレー漫画です。
所属するのは「堕ちた強豪、飛べないカラス」と呼ばれた過去の強豪校「宮城県立烏野(からすの)高校排球部」。
日向は過去に全国大会へ出場していた時のエース「小さな巨人」に憧れ、烏野高校に入部しました。
低身長で技術も下手くそ、ハッキリ言って勢いだけが取り柄の日向。
スパイカーを目指す日向のパートナーは、中学時代に「コート上の王様」と呼ばれた天才セッター影山飛雄。
天才影山に「下手くそ」「ボケが」「お前はオレの言うとおりに飛んでろ」と言われながらも、日向は驚異の身体能力を発揮し、ふたりは「変人コンビ」と言われるほどの「超神技速攻」を編みだします。
変人コンビの神技速攻を最強の武器に、烏野高校はチーム一丸となり全国大会出場を目指して奮闘していきます。
全45巻のうち、主人公の日向が高校1年生を過ごすエピソードが1~43巻まで。
つまり、3年生が卒業するまでの1年間、ずっとひとつのチームで全国大会出場を目指すキセキを長く楽しめます。
【必読】忘れがちな「ビジネスと部活」の共通点
今は社会人として汗水を流し奔走しているあなたも、高校では部活にあけくれた経験があるはず。
辛かった部活も、楽しかった部活も、今思えばかけがえのない財産になっている人も多いですよね。
いま思い返してみると「部活で培った経験」って、社会人になった今も活かせる部分がすごく多い、と思っています。
限られた時間の中で成果を出す
ちょっと例を出してみます。
例えば吹奏楽部なら、夏のコンクールに向けて練習し、夏が過ぎれば冬のアンサンブルコンクールに向けて猛練習。3月には卒業生の追いコンがあり、4月には新歓コンサートがある。
野球部なら春のセンバツに向けて新チームで練習し、春が終われば夏の甲子園、結果が出ても出なくても、夏の甲子園が終わればあっというまに国体の時期。
吹奏楽部と野球部を例にしましたが、このスケジュールを1年間でこなしているって、驚異的だと思いませんか。
社会人になった今考えるとかなりのハードワークですよね(私はもう二度とできない笑)
1年じゅう行われる「大会」というゴールのため「次はこの課題をクリアしないと勝てない」「強化すべきは○○だ」と目標を決めて頑張っていたはずです。
「限られた時間の中で成果を出す」という部分においては、部活も会社も一緒だと思うんです。
会社は、まずどんな場合も「納期」がありますよね。
相手が上司であれクライアントであれ「納期のない仕事」なんてこの世に存在しません。
納期が1週間であれ1年であれ、必ずその納期までに「成果」を出さなければいけない。
「成果」が出なければ「つぎ」は無い。
「仕事の納期」=「部活の大会」=「ゴール」です。
負ければその大会は終わり。また別の大会を目指してイチから勝ち上がっていく。
忘れてしまったかもしれない。
でも、仕事と部活の共通点はたくさんあるんです。
ひとつの目標に向かいチーム一丸となる
とくに今回紹介する「ハイキュー!!」はチーム競技です。
バレーボールなんていうものは、一人ひとりが勝手な行動をしていては絶対に強くなることはできません。
人間関係が悪ければすぐにプレーに直結し、敗北のキッカケとなります。
これは社会における仕事でも一緒。
ひとりで完結する仕事もありますが、いま、この記事を読んでいただいているあなたはチームの中の1人なわけですよね。
メンバーの個性の違い、スキルレベルの差、何を考えているかわからない静かな人もいれば、勝手に仕事を進めてくれるチャキチャキな人など、いろんな人間が集まったチームをまとめようとされているはず。
ハイキュー!!も同じです。
- 勢いばかりで全然言うことを聞かない主人公
- 仲が悪く会話しようとしない1年生
- ケンカっぱやく他校にガンつける2年生
- 心が折れて部活に来なくなった3年生
- その3年生に腹が立って来なくなった2年生
「漫画だからキャラが立ってて当たり前でしょ?」と思ったら大間違いです。
現実のニンゲンのほうが、よっぽど個性豊かで千差万別。良いところも悪いところも探せばいくらだって出てきます。
そこをまとめるポイントが「同じ目標を持つこと」。
個性もスキルもバラバラのメンバーをまとめるのは、同じ目標をもつことしかないと思っています。(これは私の経験上の主観です)
「目標は理解しているし、メンバー全員に伝えてるから大丈夫」と思ったのなら、もしかすると、それは失敗しているかもしれません。
じゃあ、なぜ。
同じ目標に向かっているハズのに、上手くいかないのか?
メンバーがついてきてくれないのか?
計画通りに進まないのか?
そんなことを改めて考えさせられる漫画、それが「ハイキュー!!」です。
【基本のキ】職場で良いチームを作る秘訣4つ
それではここで「ハイキュー!!」のキャラクターやエピソードに登場してもらい「職場で良いチームを作る秘訣」を教えてもらいます。
ゴールはどこ?「目標」はターゲットを決めて明確にする
目標のない部活も、目標のない仕事も存在しないと思います。あるとしたらそれはなんだろう。教えてほしい。
大事なのは、目標を明確にすること。
何のために目標があり、そのために何をすべきか。
高校バレーの大きな大会は1年に2回。夏開催のインターハイと、冬開催の春高です。
4月に入学したばかりの1年生には、インターハイ予選はたったの2~3ヶ月で来てしまう。全然時間がないわけなんですね。
ここで烏野高校がインハイ予選に向けて取った行動は以下のとおり。
- 初編成のチームで穴だらけ!やばい!日々の練習だけじゃ足りない!やばい!
- 合宿で「基礎」を叩き込む
- 練習試合で「経験値」をつむ
- 練習試合で「課題」を見つける
- 練習で「課題をクリア」する
- くりかえし
当たり前のことですが、PDCAを回すって結局こういうこと。
ガムシャラな練習だけではなく、課題を見つけてクリアしていくことが勝つために必要な行動になります。
・・・
ネタバレになりますが、烏野高校はインハイ予選で強豪チームに敗北します。
その後、冬の春高で全国大会出場を目指し猛特訓を始めるのですが、ここでは「チーム力」よりも「個々のレベルの底上げ」が課題になります。
- 天才セッター影山は、スパイカーのことを思いやるトスをあげるための練習
- 2年の田中は、ストレート打ちだけでは足りないと感じ、超インナーへのスパイク練習
- 細身190cmの月島は、自分より重い相手のスパイクを止めるため、社会人チームとブロックの練習
上記はすべて、全国大会への切符を勝ち取るため。
自分たちより経験も実力も身体の大きさも全て格上の「白鳥沢学園高校」を打ち破るための行動です。
何を目標にし、何を打ち破るかが明確になっているからこそ、個々のメンバーが自発的に考え、アクションを起こした結果です。
向き合ってる?「頼れる上司」は精神安定剤になる
「ハイキュー!!」に登場する3年生は、すぐに社会に出しても恥ずかしくないぐらいメンタルが安定していて「大人」です。
こんな上司がチームを支えてくれていたら、どれだけ心強いか!
まずは烏野高校排球部、主将の澤村大地。
大地さんは、誰がなんと言おうとチームの大黒柱。
3年間積み上げてきた「粘りのレシーブ力」は全国レベルなうえ、何よりもチームのメンターとして唯一無二の存在です。
- 点数をとられ続け焦るメンバーに「はい!切り替え!」と声をかける。
- ミスを連発する変人コンビに「土台なら作ってやれる。まぁ、存分にやんなさいよ」と笑顔で言える。
スターティングメンバーとして試合で活躍するのはもちろん、広い視野で全員を見て、その瞬間にメンバーが欲しい言葉を適切に選んで声をかけることができる。
「見ていてくれる人がいる」「安心してプレーできる」と思える主将。
同じ職場でこんな上司がいたら、誰だって付いていきたくなってしまいます。
大地とおなじ3年生の菅原。
1年生の天才セッター影山にスタメンを取られながらも、ベンチからチームの分析をし、仲間を信じて自分にできることをコツコツ積み上げていける2本目の大黒柱です。(というよりお母さん的ポジション)
強豪との試合で天才セッター影山が精神的に追い込まれミスを連発し、チーム全体の士気がさがっているときに、セッターを交代した菅原。
疲弊したメンバーに菅原が行ったことは、全員への全力チョップと、「大丈夫!1本切っていくべ!」の満点笑顔。
菅原の朗らかで安心できる雰囲気に、主将も含め全員の顔から緊張が解けます。
メンバーと関係性ができていないと、この一連の行動は全て裏目に出るはず。
ふだんから密なコミュニケーションを取り、信頼関係ができているからこそ実現した最高のアシストです。
話し合ってる?「本音を言える仲間」がチームを強くする
社会人になると「本音」で話す難しさを痛感します。
大人になるにつれて言葉を学び、選び、気を遣って会話するようになるので当然です。
でも、だからこそ、「本音で話す」ということの大事さを、いま一度思い出してほしいなと思います。
190cmの長身をもち、センスも技術もある1年生の月島。
いつも月島の後ろを追うようにバレーを続けてきた、気弱な凡人、山口。
みんなが全国大会を目指し自主練に励む中、いつもどおりクールでヤル気を見せない月島に、山口が詰め寄ります。
・・・
山口「最近のツッキーはかっこわるいよ。なんで頭脳もセンスもあるのに、ここから先は無理って線引いちゃうんだよ!!」
月島「・・・例えばすごく頑張って、烏野で1番の選手になったとして、その後は?万が一全国に行ったとしてその先は?果てしなく上には上がいる。たとえソコソコの結果を残しても、絶対に1番にはなれない!どこかで負ける!それをわかってるのに、みんなどんな原動力で動いてんだよ!!」
山口「そんなもん!プライド以外に!何が要るんだ!!!!」
・・・
気弱な山口が、初めて”憧れのツッキー”の胸ぐらを掴み「本音」を伝えた瞬間です。
絶対にこんな行動を取るなんて想像もしていなかった月島は衝撃を受け、部活への取り組みが劇的に変わっていきます。
べつに、大人になってから胸ぐらをつかめと言っているのではないです。
でも、本音でぶつからないといけない場面は必ず来る。
そのときにあなたは、チームのために自分の本音で話すことができますか?
矯正してない?「個性」を活かしツブさない方法
烏野高校排球部は、他の漫画にはない強い個性があります。
サブキャラっぽい人が1人もいなくて「全員が主役級」なんですね。
見た目に反して気弱なエースや、男気あふれる強気のリベロ、喧嘩っ早いスパイカーや、部活から逃げ出した地味な2年生。
この「個性」をつぶさず活かし、見守る人がいます。
それが、監督とコーチです。
烏野高校は、バレーを何もしらない新任監督と、巨匠の孫である若いコーチが指導しているのですが、これが本当にすごい。
- 一人ひとりの強み・弱みを理解し、受け入れ、否定しない
- 頼られたら寄り添い、助言する
- 部員とともに歩み、自分も成長する
- 勝利も敗北も、ともに心から感動し、褒め称える
「ハイキュー!!」は、監督とコーチの心理描写が多く描かれており「指導者としての迷い・葛藤」も見どころの1つです。
ひたむきに頑張るメンバーのため、大人の目線で「メンバーのために何が最善か」を考え、一緒になって行動できる。
素晴らしいと思います。
まとめ
大好きな漫画「ハイキュー!!」をもとに「良いチームを作る秘訣」をまとめてみましたが、いかがでしょうか。
個人的には、各キャラごとに10万字ずつ書けるぐらいの愛があるので、こんなに簡潔にまとめてしまい「伝わるだろうか・・・」とドキドキしています(笑)
たかが漫画とあなどるなかれ。
今、チーム作りに悩んでいる人なら、必ず心に刺さる言葉・シーンがあると思います。
この連休のお供にいかがでしょうか?
アニメ版「ハイキュー!!」は、Netflixやdアニメなどの有料サブスクリプションで観ることができます。
登録済みの方は探してみてください♪