名古屋には味噌カツやひつまぶし、きしめん、天むす、手羽先など、とても魅力的で様々な「名古屋めし」があります。その中でもちょっと異色を放つ「玉子とじラーメン」はご存じでしょうか。
創業約50年の老舗ラーメン屋である「萬珍軒(まんちんけん)」。長年通い続けている私が、自信を持ってオススメします。
メインである玉子とじラーメンはもちろん、その他の絶品単品メニューに加え、お店でなくてもコンビニで買えるカップラーメンまでをご紹介。気になった方は是非食べてみてください。
名古屋名物!玉子とじラーメンといえば「萬珍軒」
1966年に愛知県名古屋市の中村警察署前で営業していた一軒の屋台が前身。創業当初の看板商品は「とんこつ醤油ラーメン」だったそうですが、1968年に現在の場所に店舗を構え、萬珍軒の代名詞とも言える「玉子とじラーメン」が生まれます。
その後は地元名古屋を中心に評判になり、映画評論家の水野晴朗氏の著者紙の中で「名古屋の玉子とじラーメン」と命名され掲載したことがキッカケで更に人気に火がつきます。
名古屋駅からわずか一駅、地下鉄桜通線の【中村区役所駅】から徒歩3分。もしくは名駅から少し歩けば約20分程で行ける位置にあります。
営業時間は深夜1時まで営業しており、飲んだ後の〆として行く人も多いお店です。
遠くからでも分かりやすい看板が目印で、開店前から列を作ることも珍しくなく県外から訪れる方も多い人気店です。
広めのテーブル席とカウンター席もあり、グループはもちろん、お一人でも楽しめます。家族連れも多く、女性ひとりでも入りやすい、明るくレトロモダンな雰囲気も人気の理由でしょう。
カウンター席はオープンキッチンに面していて、厨房の様子を間近で見られます。充実した単品料理と、玉子とじラーメンの元祖とも言える味を楽しみましょう。
萬珍軒のラーメンメニュー
ふわとろスープの「玉子とじラーメン」
屋台の頃から40年以上守り続けている、厳選した豚骨と名古屋コーチンの鶏ガラを長時間煮込んだスープがベースになっています。
豚骨の厚みがあるコクと、ちょっと濃いめに効かされた返しの醤油感。思わずどんどん飲み進んでしまうクセになる味わいです。
自慢のスープとそれを包み込む玉子が絶妙に調和し、コクがありつつ、どこかサラっとした印象のまろやかな味は絶品。
あえて例えるとしたら、脂の旨味を加えた豚骨と鶏ガラスープで作った茶碗蒸しを、細かく崩したようなフワトロ食感。この独特の「玉子とじスープ」が萬珍軒の代名詞なのです。
◯玉子とじラーメン 690円(大盛850円)
スープに続いて麺もとっても特徴的です。
萬珍軒のラーメンは特注の「超極細麺」で、毎朝その日に出来たばかりの麺を製麺所から仕入れています。
滑らかな麺肌でスープの持ち上げも良くズルズルズルっと入って来ます。この細さと麺の質がソフトな歯触りで、細かくなっている玉子とじのスープに良く絡んでくるのです。
この超極細麺は「玉子とじスープを口に運ぶための媒体」であるかのような、とにかく麺とスープが一体となることを重視している、この麺あってのスープであり、このスープあっての麺なのです。
チャーシューはバラロールで、肉感のある歯応えと柔らかさがある食感。海苔は風味が良くスープに軽く浸し、麺に巻いていただくと良いでしょう。刻みネギはやはり風味、質感共に良いアクセントになっています。
半分ほど麺を食べた後には、卓上の自家製ラー油を軽く入れましょう。玉子とじスープに辛味と香ばしさが加わり、また違った味わいになり、こちらもハマります。
今では他店でも玉子とじラーメンを提供しているお店がありますが、「萬珍軒」の一味違う元祖の味をお試しあれ。
辛味とふわとろスープが最高のバランス「玉子とじ坦々麺」
玉子とじラーメンと並ぶくらい人気なのが「玉子とじ坦々麺」。見た目は普通の担担麺。
少し酸味の効いた坦々の辛味とスープがマッチング。ごま、唐辛子、玉子、黒酢が合わさり、伝統の玉子とじスープで風味が閉じ込められています。
スープで使用しているごまは、トルコ産金ごまと中国産白ごまをブレンド。トルコ産金ごまは、通常のごまより一回り大きく、香りと旨味が際立っています。
具は肉みそに、もやしと黄にら、そして長ネギの白い部分のみを使った刻みネギ。更になんと「温泉卵」がトッピングされていてW玉子に!
◯玉子とじ坦々麺 800円(大盛950円)
私は辛いものを好んで食べる方ではありませんが、萬珍軒の坦々麺は程よい辛さと、玉子とじのスープが完全にマッチング。毎日食べても良いくらい美味しい仕上がりになっています。
海老の風味と香ばしさが絶品「玉子とじ海老ラーメン」
海老をまるっと一匹した新メニュー「玉子とじ海老ラーメン」。
海老は「天使の海老」と呼ばれる特別なモノを使用しています。ニューカレドニアのきれいな海で養殖されたパラダイス・プローンという品種のエビのことで、品質は世界最高レベルの認定を受けています。
◯玉子とじ海老ラー麺 800円
ラーメンの中央にむき海老とその頭が鎮座し、周りをブロック状のトマトが漂っています。スープを飲むと海老の殻を加熱してエキスを抽出しているのか、焼き海老のような芳醇な香りが鼻に抜け広がります。
そこに後からトマトの酸味とまろやかな玉子とじスープが口の中で合わさることで、何とも言えない深い味わいに。
一見、変化球とも言えるこの玉子とじ海老ラーメンは、萬珍軒の新しい人気メニューとなっている納得の味わいでした。
ラーメンの味を引き立てる単品サイドメニュー
王道でシンプルな「チャーハン」
一口食べると鍋肌しょうゆ(香ばしさを出すため、鍋肌から回し入れるしょうゆ)の香りが広がり、奥に隠れていた自社製の「焦がしネギ油」の風味が溢れ出てきます。
ご飯はお米の粒が立っていて、しっかりとした噛みごたえとパラパラ感を味わえます。焼豚の旨みと甘みが同時に楽しめ、ねぎのシャキっと感もとてもいいアクセントに。
絶妙な塩加減と旨みのバランス、お米のパラパラ具合、油の量など全てが最高のチャーハンでした!
◯チャーハン 750円
ラーメンのお供には絶対外せない「餃子」
やや小ぶり大きさの餃子が8個で一皿。1個当り50円でコスパもいいです。
焼き目がカリッと しっかりしていてとっても香ばしく、中は美味しい肉汁が タップリ。餡が詰まっててうまい!
ここでは、卓上ラー油を迷わず入れましょう!更に美味しくなること間違いなし。
◯餃子 370円
コクのある濃厚味噌ダレの「なす味噌炒め」
とろっとした味噌ダレが美味しさの要。挽肉がたっぷり使われた濃厚な味噌ダレは、ボリュームも満点で、ナスの旨みも際立ちます。
沢山食べられる方は、「なす味噌飯」もあるのでそちらもオススメです。
◯なす味噌 370円
ファミマ限定ご当地カップ麺シリーズ第78弾「萬珍軒 玉子とじラーメン」
2022年3月に、ファミリーマート限定「ご当地カップ麺」シリーズの第78弾として発売されました。販路限定・数量限定商品として企画されたカップラーメン。サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品株式会社との共同開発商品です。
玉子とじのスープと超極細麺が、限りなくお店の味に近く再現されたクオリティ高いカップラーメンです。まさに萬珍軒が誇る「玉子とじラーメン」を感じさせてくれます。
※かつて2003年にも「萬珍軒」のカップラーメンが発売されたことがありました。その時は同じ愛知県に本社を構える寿がきや食品株式会社が監修していました。
まとめ
他では食べられない名古屋の老舗、萬珍軒の玉子とじラーメン。一度食べればクセになること間違いなし!
店頭で限定カップラーメンを見かけた際には、カップラーメンからどうぞ。そして名古屋に来た折には、お店まで足を運んで出来立てのラーメンをご賞味ください!